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(~2019.02.21)
(クラピカ)














 二つのコーヒー














「目、痛む?」




ずっと目頭を押さえていたから心配したのだろうか。


彼女は覗き込むようにこちらを見上げ尋ねた。


そんな彼女にクラピカは薄く微笑んでそんなことないよと答えた。




「心配かけてすまない、


「別に。私が勝手に気になっただけ」




が持つ無口なぬいぐるみも今回ばかりは


じっとこちらを見つめるものだからクラピカは苦笑した。




「クルタ族のこと?」




ちらり、と一瞥する。


「図星だ」とはつぶやいた。


見た目は幼く見えても流石に歳は同じぐらいだということはある。


少し間が空いたその反応にはいいけどね、と話を逸らした。




「もう眠る?明日もお仕事なんでしょ」


「いや、もう少し起きているよ」


「眠れない?」


「まぁ」




は時々ぐさりととがった言葉を使う。


突き放すような、そっけないような。


表情もあまり変化がない子だからこそハンター試験


の際はかなりキルアやレオリオと喧嘩になっていた。




「そう。ならコーヒーを淹れてきてあげるわ」




ブラックでいい?


と続けてはさささとキッチンへと向かう。


ありがとう、と声をかけると彼女らしいツンとしたものが返ってきた。




「ばか。私が飲みたかったから…ついでによ」




なら好みなんて何故聞いたのか。


不器用さにくすりとほほ笑む。


彼女はきっと二つコーヒーを入れてくれる。


そして。


この長い夜を一緒に付き合ってくれるらしい。 inserted by FC2 system