ジタン














 いっしょ














の兄である


二卵性ではあっても流石は双子。


瓜二つな容姿は見事なミラーツインとよばれるもので。


まるで鏡に映しあったような容姿は一人一人を単品で見てみると


どちらがどちらかわかりにくいものがあった。


けれども。


並んでしまえば多少の体格の差や表情の癖なんかに違いが見えてくるものだ。


兄と妹。


生まれが数分違うだけで浮き上がる違い。


個性。


別物。


お互いは違いこそを愛でるようにしていた。




「兄さんはね本を読むのが好きなんだ」


「本?…例えば?」


「んー特にこれっていうジャンルはないみたい。目の前にあったらそれが何であっても読んでる。


 小説・古書・史書・短詩・絵画集・物理書から聖書まで、なーんでも」




淡々と話すは子供のようなあどけなさを纏っている。


大好きな兄のことを話すとき、彼女は嬉しそうだった。


それを聞いているジタンの方もついつい微笑んでしまう。




「一番はレオ…えっと、帝国の中でも結構良くしてくれた人がくれたって言う


 水彩で描かれた風景画がお気に入りみたい。世界中の風景が優しい色で彩られて、


 何度も見せてもらったけど、とっても素敵だったよ」


「風景画かぁ。の世界っていうのも、一回見てみたい気がするな…」




ティナちゃんと同じ世界からきてるんだろう?


という質問には相槌を打つ。


そう。


二人は同じ世界の住民。


生まれもおなじ。


ただ育ちは、ある意味違うしある意味同じだ。


複雑な事情。


過去。


は微笑む。




「ジタンの世界も、勿論そうだけど…みんなの世界も気になるよね。ほら、バッツの世界とか」


「いいな、それボコにも会ってみたいしな!セシルの世界からみる月とかも奇麗だろうしな!」


「素敵。絶対見てみたいな」


「勿論俺と、だろ?」


「はは、さぁねー。ティナとかもよ??」


「あ!ずっりぃー!」




くすくすとお互いに笑みをこぼす。


笑顔が絶えない空間。


世界。




「でもやっぱ、ジタンと一緒の世界だったらどこでもいいかな」




ふい、と零した言葉にジタンは思わず抱きついて喜んだ。














反省

・兄様の話がいつの間にか世界の話に。。
・↑もともとのネタは「兄さんの話をしている妹の笑顔が好きなジタン」
・だったはずなのに…
・ティナと妹の複雑な事情が知りたい方はどうぞFF6連載をご覧ください。 inserted by FC2 system