Gift















自由都市ニケアーム…


海上貿易の発達したこの都市に、ロックとの姿があった。


二人は宿の予約を済ませると情報収集…もとい町内を散歩する。


町の南側には市場が開かれ、たくさんの旅行訳で賑わいを見せていた。




「なぁ、。悪いけど先に宿に戻っててくれないか?場所…わかるよな?」


「うん、大丈夫…」


「すぐ戻るからな」




小1時間歩いたところでロックが隣を歩くに両掌を重ねて謝罪をし、


早々と人ごみの中へと消えていった。


は半分疑問に、そしてもう半分はつまらなそうに口を尖らせる。


小さなため息を零すと、今歩いてきた道をたどるように種を返しすのであった。









 +









…?」




ドアノブを捻り、部屋に身を滑らせると共に彼女の姿を目で探す。


職業柄か、探すまでそんなに時間を要さない。


現にものの数秒でを見つける。


机に突っ伏すように眠っていた。


ロックは起こしてしまわぬように静かに彼女に歩み寄る。




「風邪引くぞ…」




手を伸ばせば届く距離でロックは言葉を紡ぐ。


は小さく身じろいだが起きる様子はない。




「(そうだ…!)」




ロックは小さく微笑みを零し、先ほど手に入れたばかりのものをポケットから取り出した。


袋に包まれた銀色のそれを丁寧に彼女の首に取り付ける。


そう、それはペンダント。


銀色の細い鎖に、簡素な半透明な玉がついている…


が以前肌身離さず付けていたものにそっくりなものだった。


ケフカとの最終決戦の際、損傷してしまったそれに…




同じものではなく偽りのもの。


何の力も、効力も、魔力もない物だけど…。




「(そういえばオレからのプレゼントって初めて…だったか?)」




頭の隅でそんなことを考えながら、いまだに眠り続けているに手を伸ばした。


脇と膝の後ろに手をまわし、横抱きにするとベットへと彼女を寝かせる。


隣に自分も寝転がると、のほうを視線を当てた。




「(最近は野宿ばっかりだったもんな)」




指先が長く背中まで伸びた桜色をとおる。


何の障害もなく最後まですくと、心地よかったのかが口の端を持ち上げた。


ロックはククッとのどを鳴らして笑い、額にキスを落として目を閉じた。




気付くかな…?


気付けよ?


でないと…




寂しいだろ。









目を覚ましたがロックとペンダントの存在に気付くまで後…3時間














(やっぱり泣くのか…)(だ、だってこれ…っく) (o・_・)ノ”(ノ_<。)
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