夢見心地
「ティナ…毛布とってきてくれない?」
日付も変わろうとしている頃、は身体を動かさないように気を配りながらティナに呼びかける。
何事かと、内心疑問に思いながらもティナはの託をしっかりと聞いて、
別の部屋から持ってきた毛布を抱えながら、が座るソファの元へと歩み寄った。
「悪いね」と苦笑する+ある人物の姿を視野に入れ、
ティナもつられるように笑う。
「寝ちゃったのね…ロック。言わないけど…疲れてたのかしら?」
「さぁね。ま、どうでもいいけど…」
静かにため息を落とす…
そんなと…の膝の上で寝息を立てているロックにティナはくすりと笑みを零した。
「(本当に嫌なら、退かすなり起こすなりすればいいのに…。素直じゃないのね…)先に寝るけど…」
「うん、おやすみ。しっかり休みなよ」
「(ほら、しない)…。おやすみなさい」
再び微笑んだティナ。
そんなティナには手を振って応えると、静かになった部屋で静かに息を吐いた。
膝の上で目を閉ざし続けているロックへと向けたものだった。
撫でるようにそっと髪へと指を落とす。
「ま、どうでもいいけどね」
彼にかけた毛布の裾を少しだけ自分にもかけると、
もゆっくりと深い眠りにおちていった。
+
翌朝。
が目を覚ますと寝る前膝の上にいたはずのロックの変わりに、
毛布がかけられてあった。
そして、その隣には途中で目覚めて再び眠ったのであろう彼が寝息を立てている。
は自分にかかっていた毛布を半分ずつに分けると、
ロックの方へと身を寄せて、目を閉じた。