存在















「撫でるの好きなの?」




という素朴な疑問を目の前の彼へと投げる


の正面にいる…マッシュは内心どきりとしながら、手の動作をとめる。


妙に意識してしまい動作が不自然になっているマッシュを見上げながら、


は小首をかしげて、疑問を示す。




「え…っと……。気づいたら…な。悪ぃ…」


「?いいよ、嫌いじゃないし」


「そ、そっか…」




心地よさそうに目を細めるその仕草は猫を連想させた。


そのまま続けていたら眠ってしまいそうな


マッシュは苦笑の笑みを浮かべながら(自分が乱した)髪を手櫛で整えてやる。




「へんなの」




無関心に呟く


急に撫でる手を止めるマッシュにほんの少し不機嫌を見せながら、




「夕食もこれだけ取れたら十分でしょ。さ、帰ろうよ」




と、マッシュを促した。


もう片方には2人でとった魚や果物なんかを入れた袋をぶら下げている。


片手で持つには重いそれ。


マッシュそれを軽々と持ち上げると、肩にかけるようにしての隣を歩いた。


ぽん。




「へへ…ありがと」


「どういたしまして」




空いた手で頭を軽く撫でると目を細めて表情を少し緩める。


けれど次の瞬間にははっとなり、嬉しさが隠しきれていないような、


渋い顔を見せる


ちょっと複雑そうだ。




「ロックにやってもらったほうが嬉しいのか?」


「――ばっ!ん、な訳ないだろ…っ!!」


「そっかそっか」




からかう様に口元だけに笑みを浮かばせて見せると、


は無機になって全力で否定をする。


ちがうからなっ!


と否定されたって、の照れたような表情を見るからには説得力がなかった。


必死に釘を刺すの頭をもう一度、今度はくしゃりとしてやると、


む…と不満そうに眉をひそめて押し黙る。


年齢よりもだいぶ幼く見せる膨れっ面に、マッシュは声に上げて笑った。




「たっくよー、可愛いなぁ…」


「―――は?」




マッシュにとってはからかいがいのある妹のような存在。




それとも…














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