・ダークロック注意!
・精神年齢中学生以上推薦…?
・イメージ破壊の恐れがあります><




























 染色する躯














ロックって、時々怖いよね。




何故その言葉が僕の口から出たのかが解らない。


なんの前ぶりもなく不意に浮かんだ言葉。


それを思わず声にしてしまったから今こんな風になっているんだろう。


眉を潜めて自身の不甲斐なさを後悔する。


けれど今更自嘲したってもう、遅い。




「俺が…?」




目の前にいるのはいつものロック。


いつもの表情で、いつもの口調で、いつもの声で話す。


たった三文字の言葉にさえ足がすくみそうになる。


背中のひんやりとした感触を感じながら


何とかもたれかかって立っている感じだった。


ロックの片手がゆっくりと頭の隣に置かれる。


手のひらを壁につけて距離がまた近くなった。


とうとう僕は視線さえ合わせられなくなる。


絶対的な何か。


心臓が煩い。




「まだ怖い…?」




軽い調子で尋ねられる。


いつもの口調。


漸くといった風に僕は首を振る。


目を閉じて逃げようとするとロックは耳元で囁いた。









“ 震えてるぜ…? ”









唇をかみ締める。


恐る恐る見上げると口元に笑みを含ませた彼と目があう。


ゾクリと肌が粟立つ。


逆らえない窮屈さ。


怖いと。


頭が完全にその言葉で支配しているというのに


体が言うことを利かない。


しばらく僕が何も返せないでいると、


ロックは口の端を持ち上げて顔を近づけていった。


吐息がかかる。


頬が紅潮する。


瞳が少し潤む。




「 そそるんだけど 」




目を見開く間もなく口が塞がれる。


喋らせないようにと被せてくるそれは少し強引で。


脳の奥のほうが段々としびれてくる。


完全に支配されてる。


彼に。


染まっていく。




唇が離れて荒れた呼吸を整える。


ロックはもう一度「まだ怖い?」とききながら涙をぬぐった。


優しい口調にまた、頭が働かなくなる。


漸く出た言葉は




「うう、ん……。変な事言って、ごめん…なさい」




そっか、とロックは笑った。


頭を撫でられて僕は安心するんだ。




どこで間違えたのだろう。


どこで間違ったのだろう。


いつから狂いだしたのだろう。




「ね、ロック…」




ん?


と聞き返す。


僕は震える声で言った。









「好き、だよ…?」









どこで間違えたのだろう。


どこで間違ったのだろう。


いつから狂いだしたのだろう。




完全に支配されてる。


彼に。


染まっていく。




もう後戻りなんてできない。














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