ロック・甘め(言葉なぶりプレ(ry…・15歳以上推奨














 それだけ














一枚ガラスの向こう側は雨。


もっと近くで感じたい、と窓ガラスに触れてみる。


それはひんやりと冷たかった。


冷たいガラスの感触が指に伝わる。


背中とお腹に人の熱が触れた。




「ロック?……あれ、気付かなかったや」


「一応ノックはしたんだけどな。どうせ夢中だったんだろ?」


「…。…そっか」




後ろから緩く抱き締めらている。


彼の右腕が支えるように彼女のおなかのあたりを抱いていた。


の耳元に頬を寄せるロック。


桜色と銀髪がほんの少しまじりあう。




「……ロック?」


「ん、何?」


「どうかしたの?」


「…別に?」




軽くはぐらかしてロックは続ける。


首元に顔を埋めると体温の混じった甘いにおいがした。


石鹸の匂い。


探るように軽く口づける。


は気が散ってしょうがない風だった。


窓ガラスからもとうとう手を離してお腹のところにある彼の手に自分の手を重ねる。


彼は嬉しそうに笑みを深めた。




「…んぁ」


「可愛い声」


「…、…あのね、ロック」


「何?」


「そっち向いてもいい?」


「どうして?」


「………えっと、ね」




言いよどむ言葉。


彼女の反応を見てロックは楽しげだった。


子供のようにい悪戯心がざわめく。


つい意地悪したくなる。


あのね、と紡ごうとする彼女に耳元でうん、と囁いた。


彼女の頬が少し熱い。


微かに紅潮しているように見える。


確信犯。




「ちゃんと言わないとわからない」




そう言って耳朶を口に含むと我慢したような声がかすかに聞こえた。


ちゅ、とわざと音を立てる。


5歳差の余裕を見せつけてみる。


反応が可愛くて仕方がないから。


ひとつひとつに反応してくれるから。


それが嬉しくて。


愛おしくて。


やめられないんだ。




「……キス、してほしい…な」


「よくできました」




お腹にまわしていた手を解いてと向い合せになる。


顔を赤く染めた彼女は思っていた以上にロックをドキドキさせた。


余裕がだんだんと無くなっていく。


俯いていた彼女が潤んだ瞳で見上げた。


仲間には絶対に見せない表情。


俺だけにしか見せない。


俺だけが知っている。


ちょっとした独占欲。




「ロック…」




頭の後ろを手で押さえると唇を重ねた。


はじめは触れ合うだけのもの。


段々と深いものへと変わっていった。


舌で柔らかい感触を味わいながら何度も口づける。


時折漏れる彼女の吐息が自分の余裕をはぎ取っていった。


ぐしゃ、と彼女の髪が乱れる。


息が乱れ、胸元を軽く叩かれて名残惜しくも彼女を開放した。




「…最近のロック、」




息を整えながら彼女は言った。


上気した頬。


涙をためる瞳。


ロックは穏やかな瞳で頬を撫でた。


彼女の次の言葉を楽しそうに待っている。


ロックは今上機嫌だった。




「意地悪ばかっりするんだ…」


「そうだっけ?」


「…う、ん」




言いよどむ。


乱れた髪を整えてあげると目を細めてはにかんだ。




「嫌いになった?」


「……意地悪」




くすくすとロックが笑う。


は諦めたように口を尖らせた。




最後に触れるだけのキスで、仲直り。














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