Angel's smile
















大切だと思うから、守りたいと思う――…















地下組織リターナー 17.5















荒い呼吸を繰り返しているをベットへと移し、


マッシュは出て行ったきりのティナを心配して、部屋を後にする。


検討も心当たりもなかったが、とりあえずが向かおうとしていた場所を歩いてみると


思ったとおり、ティナがいた。


本部の入り口でしゃがみ込み…膝を抱きながら泣いていた。


戸惑いながらも彼女の傍に膝をつく。




「ティナ…」


「いやっ!」




嫌々をするティナ。


そのとき覗けた瞳は、ずっと今まで泣いていたのだろう、真っ赤だった。


マッシュはもう一度「ティナ」と名前を呼ぶ。




「…なんて嫌いっ…大嫌い!」


が倒れた」


「―――」




ティナの小さな肩がびくりと震える。


そしてゆっくりとした動きで視線を上へと持ち上げた。


マッシュは内心安堵の息を吐きながら説明をする。




「…」


「ティナ。俺は途中からだからあいつのこともあんまり知らないけど…」




そこで一区切りをおくマッシュ。


ティナの反応を見るためだ。




「これだけは言える…。本心でやってたわけじゃないと思うぜ」




ティナが一番わかってるだろ?


とマッシュは口の端を持ち上げる。


ティナはこくんと頷いた。




「いこうぜ、のところに…。今バナン様に診てもらってるから心配はいらないと思うけど」


「……ええ」




いくらか落ち着きを取り戻した口調でティナは頷いた。


すぅ…と息を吸うとゆっくりと吐き出し、


のいる個室へと歩き出した。









 +









開かれている部屋からバナンたちが見えた。


その奥のベットにはぐったりと横たわるの姿も…。


マッシュは中にはいる事を躊躇するティナの背中を押しながら、


自身も部屋の中へと足を踏み入れる。


バナンが気を使ってくれたのだろう…一先ずさきに部屋を後にした。


兄の方に視線を投げると良くやったと言わんばかりに口の端を持ち上げていて


マッシュは照れくさそうに笑った。




…は、あの…」


「あぁ、もう大丈夫だってさ」




ロックの言葉にティナの表情は明るいものへと変わる。


だが、それはほんの数秒ですぐに眉を寄せた。


責任を感じているのだろう。


エドガーがが眠っている事を気遣って、


一先ず部屋の外へと、提案し、3人はそれに了承した。









 +









「昨日くらいからかな…。微熱があったんだ」




居間のようなところまで移動すると、ロックが第一声目を切り出す。


その発言にティナは気付かなかった…と眉根をよせ、


エドガーはロックに疑問の視線を投げた。




「アイツ…何も言ってなかっただろ?それにそんな素振りとかも見せなかったし…」


「そう…だな」


「でさ、思ったんだけど…」




ロックがそこで一度区切る。




の奴…。信頼するとか以前に、頼るってことを知らないんじゃないかなぁ…って」


「え?」


「…そう言われてみるとそうかもな」




ロックの発言に疑問符を脳内に浮かべるティナと相槌を打つマッシュ。


エドガーも「あるだろうな」とロックと同意見のようだ。


ぱちぱちと瞬かせるティナ。




「…そう、ね。私いつもいつも頼ってばかりだったものね」




ティナは複雑そうに目を閉じた。


四人の中に沈黙というなの重い時間が続く。


エドガーが口を開いた。




「今日はもう遅い、我々も休ませてもらおう」




明日にはも目を覚ますだろうし、と付け加えて


エドガーは先に寝室へと歩み始めた。


マッシュも肩をすくめながら後を追う。


思いつめたような表情で立ち上がるティナの頭をロックが軽く叩いた。




「あんま考え込むなよ」


「…ええ」




お休み。


と言葉を交わしてロックもちがう部屋の方へと歩き出す。


ティナは叩かれた頭に片手をやって、小さく頷いた。









答えは…見つかった。














Top

あとがき

17.5話更新です!
17話の説明不足を補う一話です(あ、0.5話…か?)
もうすぐ分かれますね…
さぁて、どこのチームに行くのでしょうねぇ、ムフフ…(決まってるけどね)
inserted by FC2 system