Angel's smile
















地図の中央に位置する細長く延びる大陸。


その南東に村を見つけてセッツァーは舵を操作した。


は確信していた。


ここに、仲間がいる…と。


この胸のざわめきがそれを知らせているのだと――…















 待ち続けるよ 105













ワンワン、と番をしていた犬がほえると、壊れかけのボロ屋から


まだ10にも満たないような子供が顔を覗かせて


「だれかきた!!」と怯えるようにして部屋に入っていった。


たちは顔を見合わせて、とエドガーだけが残り、


後は飛空挺で待機しておくように話は進んだ。




半壊した町並み。


もう半分の村はあの日の出来事によって引き裂かれたのだろう。


それがあった場所は海に沈んでしまったようで、


はざぷざぷと波音を立てる場所を


見下ろして悲しそうに眉をひそめた。


という事はさっきの子供はモブリズの村の生き残りという事だろうか…


他にもまだ…?




「ここから先はいかせないぞ!ボクたちだって戦えるんだ!」




身長の割に合わない武器を手に、子供達が家の中から出てきた。


エドガーが身構えはしないものの、を庇うように


前に立ったから、は手で制して、大丈夫だと告げる。


子供達の目にが映った瞬間強張った表情が


本来のものへと変わった。




「パパだ…」


「…え?」


「うそ…パパが…」


「!」




の顔を見て「パパ」と呼んだ子供達。


エドガーと顔を見合わせて疑問符を浮かべたとき、


家の中から見慣れた人物が二人でてきて、


子供達をさらに混乱させる事になった。


1年ぶりに会うティナとが子供達に


武器を下ろすように優しくいっていた。




「ティナ!…兄さん!」


「ママ!この人たち、ママの友達?」


「(…ママ?)」




ええそうよ、とティナが微笑み、話の糸がつかめないエドガーが


のほうへと視線を送った。


は一度俯き、家の中へと入るように勧めた。


心なしかの傍を歩きたがった。









 +









「ずっと、心配していたんだよ…おいで」




部屋の奥の個室。


やっと子供達の目から離れて、少し緩めた口調で


に言った。


ずっとそうしたかったという事に気付いていたのだろう。


両手を広げて迎え入れるとは強がりを捨てて抱きついた。


ぎゅ、と顔を押し付ける彼女には髪を撫でてそれに応えた。


エドガーとティナはその光景を見ながら微笑む。




「みんな…生きていたのね。会いたかった!」


「ティナ、。いっしょに行こう!ケフカを倒さなければ、世界は破滅してしまう…」


「ええ…」


「…」




ティナの言葉にがすっと見遣った。


その些細な反応はにも伝わったようだった。


パタリ、と扉が開いて二人の男女が入ってきた。


ティナと同い年くらいだろうか…




「ここは俺たちの国だ。勝手なことされちゃこまるぜ」


「二人は皆の心の支えなんです。


 ティナとがいてくれたから皆がんばって来れました」




男の方の名前をディーン、女の方をカタリーナといった。


子供達の中で最年長組みがこの二人だそうだ。




裁きの光が降されたあの日、光がこの村を襲い、


村の大人達は子供達を庇って――




『こっちをねらってる!』


『子供達を!!』


『パパー!!』


『ママー!!』




ティナは俯いて「戦う力が消えてしまった」ことを告白する。


敏感に反応を見せたのはだった。




「ここは子供達だけの村…そして、ここにたどり着いた


 僕たちを子供達は必要としている…」


「…兄さん」


「二人をとるな!」


「ディーン…


 ごめんなさい。でも二人がいなくなったら私たち、支えを失ってしまう…」


「…」




相変わらず目を反らしたままのティナの肩をそっと抱いた


両手で顔を覆い、思いつめている様子だった彼女を


無理に連れて行くことはできなかった。




「あの子たちがなぜ私を必要としているかはわからない…


 私が、あの子たちを守らなくてはならない理由なんてない。


 でも何か変な感じなの。


 そして…この感情が私にめばえたとき私から戦う力がなくなってしまった…」


「(…それは……)」


「何かわかりかけているような気がするの。


 はっきりとは言えないけど…


 でもその答を見つけようとすればするほど、


 私の中から戦う力がなくなっていく…」




は言葉を詰まらせた。


こんな時、かけてあげる言葉が見当たらない。


そういったことに疎い自分は、こういったとき、無力だと感じる。


その部屋に静寂な空気が訪れてまもなく、


子供のうちの一人が慌てた雰囲気で飛び込んできた。









「大変だー!フンババがこっちにやってくる!!」














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あとがき

105話更新\(・∀・)/

久々にキーボードをカタカタした気がします。
そのせいで文章がめっちゃ硬い…
なんかそんな気がします。
スミマセン…ッッ!;

もっとこう…ふんわりと書きたいのですが…
更新不定期なんかにするからこんなことになるのでしょうか;
それとも私自身がこのストーリーを理解できてないのでしょうか…

…いやぁ、課題は多いです><

ということでぽちり (殴)
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