Angel's smile
















手をつないで もう大丈夫――…















雪平原の死守戦 26















身構えたの目は真剣そのもの。


おそらくここでカイエンが攻撃してくると判断すれば、


先ほどが発言したとおりのことになっているだろう。


カイエンはの瞳から意志の強さを読み取り、


しぶしぶといった感じで刀を鞘に納めた。


も具現化していたスタッフをブレスレッドへと戻す。


それから固まってしまった回りに視線を配らして、淡々と述べた。




「悪い、話し遮った…。どうぞ、続けて」




刹那―――




「大変だ!帝国が攻めてくる!!」




突如慌てた様子で入ってきたガードがそう叫んだ。


その言葉にその場にいた全員の表情が険しくなる。




「ええい、しょうがない!戦うしかあるまい!」


「敵の目的は幻獣だ」


「…。幻獣は?」


「谷の上に移した」


「よし、そこで死守するぞ!」




エドガーの意見に首を振るものは一人もいなかった。









 +









長老、ガード…そして町民は町に身を潜め、


残るメンバーで幻獣の谷へと向かう。


その途中セリスはティナのことを横目で捉えながら言葉を紡いだ。




「生まれながらに魔導の力を持つ娘…こんなかたちで再会するとは…」


「あなたも魔法を? でも私とは少し違う…」


「私は幼い頃に、人工的に魔法の力をうえこまれた、帝国の人造魔導士だ」




ティナはしばらく何かを考え込むように黙り、引っかかっていた疑問をセリスにへと問う。




「人を愛することはできるの?」


「???からかっているのか?」




彼女の純粋な問に眉をひそめるセリス。


ティナは一度俯いたが、少し前を歩いていた人物に視線を当てた。


セリスもその視線を辿る…。










「気分でも悪いのか…?」




エドガーの問に「へへ…わかる?」とは冗談っぽく笑いながらかえす。


笑っているといってもそれは口元のみでその他のパーツは、


妙に力が入っていて、エドガーは眉根を寄せた。


は小刻みに震える手の平を見つめながら自嘲気味に笑った。




「君の魔力は大きな戦力だ…。だが…」


「?」




「無理だけはしない事…いいね?」




エドガーの真剣な眼差しを当てられ、は首を縦に振った。


刹那…


降ろした両掌に違うぬくもりを感じる。


は目を見開きながら、両隣へと視線を投げた。




「安心しろ、さんだけが魔法を使えるわけではない」


「私達がいることも忘れないで…!」




先ほど一触即発な雰囲気だった二人が、


今は一致団結し、と手の平を重ねている。


はへへっ…と嬉しさを誤魔化すように笑みを零す。




「両手に花…」


「羨ましい光景だな」


「「エドガー!」」


「おやおや…」




エドガーは落胆するようにため息を吐き出す。


二人の女性…ティナのセリスに制されて、小さくなっていた。


その光景に、は声を出して笑った。




後には寂しさが残った。









 +









「くるぞ!!」




バナンがそういうとそれぞれが武器を構え、戦闘体勢にはいる。


ティナ、セリス、の魔法を使えるメンバーを一人ずつとし、


残りのメンバーは等分に三つのグループに分かれる。


ティナ、エドガー、ガウ。


セリス、ロック、カイエン。


…そしてとマッシュ。




「よろしくな」


「…。足、引っ張るなよ」


「ははっ。おう!」




拳と拳を叩きつけて笑うマッシュ。


は杖を具現化しながら前方からやってくる兵の集団に目をやった。


中央には一際目立つ、ケフカがいる。




「ほー……裏切り者のだけではなく、セリス将軍もおいでですか……


 ちょうどいい。まとめて始末してあげましょう!!オホホホホ…」




甲高い笑い声とともに多数の兵が配置につく。


中にはヘビーアーマーやボスなど…なかなか手ごわいものも勢ぞろいだ。


だがには不敵な笑みを浮かべるケフカしか見えてはいない。




「(くそっ…!今は戦う事だけを…)」




内心首を振って、スタッフを振るう。




… サンダラ …




コルツ山のときと同じ技を今度は数名の敵に分散して使う。


マッシュも負けじと地を蹴り、自らあみだした奥義を繰り出す。




― 鳳凰の舞 ―




見た限り炎属性の攻撃だろう。


この雪平原で、炎はかなり重宝している。


後方を守っているティナのファイアもかなりのダメージを与えているのだから。




刹那、モンスターの石つぶてがセリスをめがけて飛び散る。


とっさに剣を使って大きな外傷は避けられたものの、


反動でソードは吹き飛んでしまった。




――― ゾクッ




「っく…」




背筋が凍るような悪寒を感じてそちらに目をやれば、


にやりと口端を持ち上げて呪文を詠唱するケフカがいた。




… ポイズン …




「まずは貴方からにしましょう…」




「…くそっ!」


…ッ!!」




ケフカが喋り終える前に、は地面を蹴った。


兵の間を抜けて、セリスチームのところまで走る。









ドクドクドク…嫌な音が聞こえた。














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あとがき

26話更新です^
冷静に考えてみたらポイズンってそれほど痛い魔法でもありませんよね?
ポイゾナをする分のターンが無駄になるくらいで…
ポイズンくらいなら放置しても…ok…なわけだし
それにナルシェの戦いで石つぶてなんてつかうのガウくらいだし…
嘘ばっかかいてるなぁ…ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎ
次にやっと三つめの名前変換が出てくる…+。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚
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