Angel's smile
















お父さんなの……?――…















 魔を封ずる者 70














ティナはゆっくりと開眼させて起き上がった。


はベットに軽く腰掛けて話を聞いていた。




「私は幻獣と人間の間に生まれた……この力も……そのために…。


 でも、もう大丈夫。


 少しの時間だけど力をコントロールすることができる…」




握り締めた手のひら。


そこには強い意思のようなものが感じ取れた。


エドガーが「ガストラはその時に幻獣の秘密を知ったんだ」と呟いた。




「魔導研究所で捕らえられていた幻獣はその時にさらっていった幻獣か。


 セリスの力も幻獣がギセイに…」




魔導の力。


それは幻獣から取り出した力だという。


うっすら眉を寄せたトール。


ヴァーユがそっと頭を抱き寄せた。


ロックが視界の隅に二人を置いて口を噤む。




「許せん帝国!殴ってやらないと気が済まない」


「そん時は手、貸すよ。マッシュ」


「おうよ!」


「「「(……え?)」」」




軽いのりでが言った。


それに数名は表情を暗くさせた。


くすくすとティナが笑って「ナルシェのほうはどうなっているのかしら」と紡ぐ。




「そうだな。とりあえずナルシェへ」


「飛空艇は準備できてるぜ!」


「行きましょう!!」




ティナが言って全員が頷いた。


がはぁ、と溜息をついた。




「さて、と」


「……どうしたの、


「んー、いや?……昇ったら降りなきゃだよなーって現実を受け入れられないだけ」


「???」




苦笑する


理解できていないティナに「なんでもないよ」と誤魔化した。


暫く一生懸命悩んだティナ。


それから指をピンとさせてふふ…と微笑んだ。




「大丈夫、私と降りましょう」




きっと怖くないわ。


オプションで花弁がふわふわするほのぼのティナに


は感極まる思いで抱きついた。









 +









ナルシェについた一行。


ナルシェのガードに案内されるままに全員は


ジュンの家に向かう。


そのガード兵を見ては複雑そうな顔をするが、


お互い沈黙を貫き通した。


ジュンの家に入るとバナンが「おおきたか」と出迎えてくれた。




「ナルシェの人達もやっと、帝国と戦うことを決意してくれた。


 ところでどうじゃった?帝国の首都は?」




早速本題に入るところは相変わらずのようだった。


エドガーが今までのことを掻い摘んで説明する。


のことは省いてくれた。




「なるほど…ナルシェの資源とフィガロの機械を使い、


 帝国を攻め入る計画をねっていたが……兵力不足かもしれんな」


「封魔壁を開くしかないのか……」


「幻獣界へ…?」




ティナが尋ねる。


ジュンは頷いて


「幻獣の助けなくして、帝国を倒すことはできんじゃろう」


といった。


はあまり気がすすまなそうに黙り込んでいた。




「帝国の東にある、封魔壁を開き幻獣達が


 そこから帝国に攻撃をしかけるのと同時に、我々が北から攻める」


「挟み撃ちか」


「そのためには…幻獣を説得しなければならん…


 封印された魔封壁を再び開く為には魔法を使った術者がいなければ話にはならん


 魔封師――」




視線がへと向く。


魔封師。


誰もが聞いたことのない単語に驚く中


は一人「へぇ」と少し感心していた。




「幻獣と人間の間にもう一度、絆をつくる…その役目ができるのは…」




バナンが言って、全員の視線は二人に集まる。


「人と幻獣…相いれぬものならば僕達は生まれなかった…」


ははぁ、と溜息をついた。




「私達がやる。私達にしかできない!」


「幻獣を説得できれば、この戦争にピリオドをうつことができる。


 ティナとならば…それができるはず…」




バナンが深く頷く。


それをみて二人もそれに応えようと心に刻んだ。




「封魔壁は帝国の東にある。帝国が監視しているが、なんとか潜り込み開放してくれ」










幻獣界――は唇をかみ締めた。














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あとがき

祝!70話!!

こりゃー確実に100超えだな;;
でもでもまさか三日坊主の深がここまでかけるとは
思っても見なかったです。。((
いろいろな意味で吃驚するのと同じくらい
読んでくれている方のコメントや拍手なんかが励みになっています
(↑ありがたやー)

ということでぽちり (殴)
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