Angel's smile
















三人に頼みがある――…















 愛するというコト 75














「では、僕はリターナー側に座らせていただきますね」




そう一言おいてはリターナー側の左端に座った。


の隣に座るティナは気になるらしくちらちらと盗み見ていた。


に双子の兄が居たと言うことを聞いたばかりで


戸惑いが隠せないで居るのだ。


兄が居ると言うことは知っていたティナ。


けれどもその兄がまさか双子だったなんて。


少しだけ目が合うと、彼はニコリと返すものだから


妙な新鮮さが自分を緊張させた。




「さて、ようやく、こうして同じテーブルにつける時がきた。


 まずは、乾杯だな。何に、乾杯するかだが…」




故郷に、とエドガーは付け足すように言う。


ガストラはうむ、と頷いた。




「では…故郷に乾杯!!ところで、ケフカのことだが…


 ドマに毒を流した罪で牢にいれてあるのだが、さてどうしたものか…?」


「ケフカのしたことは許されたことではないでしょう。


 今のまま牢に入れておくべきかと……」


「そうか…まあ、ひとまずは、牢にいれておき後で考えることにしよう。


 ドマ城の件は本当にすまなかった。まさか、ケフカが毒を使うとは誰も思わなかったのだ」




ガストラの言葉には「それだけは許されることがないのでは?」と


冷たく言い放つ。


恨みや怒りなどではなく、本当にそう思っての言葉のようだ。


ガストラはもう一度頭を下げて謝罪した。




「本当にすまなかった。ケフカには、厳しく罰を与える。


 また、すべての毒をこの世界からなくすことを、誓おう。ところで、セリス将軍のことだが…」


「セリスは仲間だ」


「ケフカが嘘をついていたのだ。セリス将軍は、


 わたしより先にこの戦争の愚かさに気づき、リターナーにくみしたのだよ」




ロックは少しだけ目を伏せた。


そしてガストラは何か聞きたいことがあれば答えよう、と促した。




「なぜ戦争を始めた?」


「すべてはわしの支配欲のさせたこと…いまは、後悔している……」


「なぜ、和平を考えたのですか?」


「おぬし達の力と帝国の力をあわせなければならぬと考えたからだ…」


「なぜ、兵士と話をさせた?」


「まだ、この和平に賛成していない者がいる。


 直接、会えばその者たちもわかってくえると思ったのだ」




幻獣の話をしよう。


暫くしてそう切り出すと、ガストラの表情にかすかな変化があった。


それをは見逃さなかった。


静かに目を伏せて口元に微笑を浮かべていた。









 +









「セッツァー、何か手伝おうか?」




飛空挺の内部でエンジンの修理をしていたセッツァーに


は顔を見せた。


柱の隙間から顔を覗かせるその姿は子供のようだった。


そんな愛嬌に思わず噴出しそうになるのをこらえながら


セッツァーは「休んでなくていいのか?」とつむいだ。




「もう大丈夫だろ。多分。……別に怪我したってわけでもないしな」


「でも休むように言われてるんじゃないのか?」


「……もしかしてそれロックに言われた?」


「まぁな、見張っといてくれってさ」


「う、ロックのヤツ」




信用ないな。


と続かせようと思ったがいましている会話からは説得力のかけらもなく、


またそのことを言われると面倒なのでは黙っておくことにした。




「そろそろ帰って来るだろうから、お前も休んどけよ。


 ……なんなら、オレを気持ちよくしてくれてもいいがな?」




いやらしく笑うセッツァーにはふ、と笑って


ケアルをかけてやった。


そしてふん、と鼻を鳴らして種を返して歩いていった。




「かなわねぇな……ったく」









 +









戦いの終わりを誓おう。そして、たのみがある…


幻獣は帝国を攻撃したあと、北の方角、大三角島のほうへ飛び去った。


これをほうっておいては、また、いつ暴れ出すとも限らない。


幻獣を探し出し、和解をはかりたいのだが…


今まで帝国が幻獣にしてきたことを考えれば、


われわれだけが行っても解決しないだろう…そこで…三人の力を借りたい。




ガストラはそこまで言い切ってため息をついた。


リターナー側はその言葉に、確かにティナや、そしてならば


幻獣と人間とのはしわたしができるかもしれない。




「今すぐにでも、アルブルクからアーマー運搬船で大三角島に向かおうと思うのだが…


同行してくれるか? 帝国からも優秀な将軍と兵士を同行させる。レオ将軍!!」


「将軍レオでございます。よろしく。それでは、アルブルグで待っております」










レオはそういってブーツを鳴らして一礼した。














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あとがき

75話目でございます。

割と順調に進んでいるのではないでしょうか。
全部会議の話でもいいかなって思ったのですが、
合間にヒロインを急に入れたくなりました
(↑気分屋)

次でセリスに会うくらいまではいきたいです。
宿まではおそらくいけないだろうな……


ということでぽちり (殴)
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