Angel's smile
















“ 我らを永久に封印せよ ”――…















 魔導士たちの村 82














父親が生まれ育った村。


それだけで目に映る全てのものが新鮮に感じて


胸が弾んで仕方がない。


この高揚とした気持ちはきっとこの空気のせいだ。




「なんか、嬉しいな」




誰に伝えるわけでもなく呟く。


こういった感情は嬉しい、が自分の中で一番しっくりと来る。


ここにきたのは初めてなはずなのにそうではなく懐かしいと思えるなんて、嬉しい。


一人ご機嫌に前を歩く彼女の後ろでロックがの呟いた言葉について疑問に思う。




「嬉しい…って?」




に聴いてみる。


するとは躊躇いもせずに




「きっと父さんの故郷にこれて、ですよ。…正確には父さんについて知れて……かな?」




と表情をほころばせながら言っていた。


嬉しいのはだけではないようだ。


ロックはふぅん、と相槌を打つ。


それから少しだけ、自分の気持ちも落ち着いていくのを感じていた。


これから幻獣の聖地に行き、幻獣と和解をしなければいけないというのに。




(そういえば…)




よく笑うようになったよな。









 +









洞窟を進む。


時折顔を覗かせてくるモンスター達は、少し、おびえているようだった。


幻獣の存在に恐怖しているのだろうか。


それともいきなり入ってきた人間達に戸惑っているのか…


どちらにしても襲ってくる様子はないのでこちらからあえて仕掛ける事はしていない。


……おかげで中間ポイントまではほんの数時間で着いた。


短めのつり橋。


その中間には3つの金色の像が立ち並んでいる。




「こ、これは……三闘神の像!?」


「三闘神?」


「石像の表面に細かい文字がほられているな。


 で、じいさん、三闘神っていうのは、何のことだい?」




ロックが真っ先に金の像に指先を触れてまじまじと見つめている。


ぬかりねぇな…。


ボソ、と呟いたに唯一聞こえていた


ドキドキしながらこら、となだめた。




「魔法の神様、ってとこだろ?」


「そう言ってもよいゾイ」




ティナは近づいて像の魔力に僅かな歓喜をこぼす。


三闘神は魔法の神。


幻獣の作り主ともいえる存在。


幻獣たちは三闘神の像を作り聖地に祀ったと言われている。


きっとこの場所がそうなのだろう、とストラゴスは言った。


この魔力に導かれて、幻獣たちはこの島にたどり着いたのだと、は思った。




「ところで、じいさんその三闘神とやらは、幻獣を生んだ後どうなったんだい?」


「戦いにつかれた三闘神はおのれの体を石化させて永遠の眠りについたという。


 その場所が、封魔壁の奥であると伝説は伝えとる」


「………」「………」


「封魔壁が幻獣界との接点であるのも、三闘神の魔力によるものなのかしら?」


「なーるほどね」




意味ありげにロックがあごをなでる。


がすばやくロックの言っていた文字に目を通した。


読める。


本などに記されている文字ではない。


なのに、視線を滑らせるだけで意味が入ってくる。


はダンマリした。




「魔導の始まり……天から降りたてし三人の神」


「どうした?…?」


「まさか…読めるの?」




にロックとティナの言葉は届いてはいなさそうだった。


ただ只管に文字に指を当てスライドさせながら読んでいく。




「互いを恐れて戦いを始めん。


 戦いに巻き込まれし者は幻獣へと姿を変え


 神の僕となりて永き時を戦う。


 争いを呼ぶ、己の強大な力の愚かしさに気付きし神は


 互いの力を中和させる事により自らを封印せん。


 そして最後の力で幻獣に心を与え自らを石に変化せしむ。


 共に封魔師なる存在を生み出した。


 神が封魔師に残した最後の言葉――




 “ 我らを永久に封印せよ ”」




それぞれの像の文字を全て読み終わりはぼぉっとしていた。


傍観的に指先を見つめて冷たい雰囲気がまとわりついていた。


封魔師の道理、理。


それを旨に刻み付けている刹那だった。


頃合を見てロックが奥のほうへと視線を当てる。




「幻獣達が像の魔力に引きよせられたのなら、あの奥に…?」


「行ってみよう」




事はまとまり全員は奥へと進むつりはしへと渡った。


否。


妨害された。


タコに。


真上から落ちてきた紫色のタコに全員は驚き飛んで退いた。


オルトロスはそんな彼らに見向きもせずに金色の像に歩み寄った。









「へへへ、このキンピカの像はおれ様のものだ〜」














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あとがき

82話目こうしんっすなぁー

タコだー。わーい←ww
早くケフカ・・・(え、タコは?ww)
崩壊前が終わっちゃいますね(あ、もう話し変わった;;)

崩壊後は結構…というよりかなり自由に行動できますよね?
だから今はとりあえず手前のアルテマウェポンさんあたりまでしか…
↑なぜにモンスターwwww

そして兄様を活躍させる場所を心のどこかでry

ということでぽちり (殴)
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