Angel's smile
















残響は、僕を殺しはじめた――…















 崩壊の余興 90















目の前の道をふさぐのは一匹の魔獣。


口からは青白い炎を吹き明らかに時運たちを敵とみなし、威嚇している。


ケフカが力づくで通ろうとするのを制してはソイツへと歩み寄った。


共鳴する何かを胸に感じながら。




『我が名はアルテマ……たい古に作られし最高の力なり


 ……我は力であり、生命にあらず……』


「汝、古からの誓約に基づきこの門の番をする者と見受ける。


 我は魔封師、……さぁ、門を開きなさい」


『………』




しばらくを見つめていた魔獣、アルテマウェポン。


そいつは何事も呟かずに門を開けて見せた。


通れ。


そういっているようだった。


門の脇に座り、三人が通るのをじっと見ていた。




門をくぐりぬけ、石の階段を上がるとすぐに三闘神の像があった。


肌を。


否。


体内に駆け巡る血さえも震わせる魔力を感じる。


ドクンドクンと脈を打つ。


体内の幻獣の血が「これに関わってはいけない」と叫びまくる。


はそれを押し殺した。




「――はじめましょう」




一人が向き合わせになっている三闘神の像の中央に入る。


魔力が交差する。


体中を通り抜けていく。


悪寒。


そんな者、とうの昔からだ。


最後に自嘲して見せてからはその場に座り指を重ねて黙祷した。




そして。




詠唱が始まる。





























わが身に宿りし“ 魔封 ”の力




今、汝等の前に姿を現さん








刹那の時を封じられたものたちよ




永久の呪縛を約束されたものたちよ




黄昏の翼を掠奪されし哀れなものたちよ








我の声を聞け




我の声に応えよ




我の問いかけに従え








わが身に宿りし“ 魔封 ”の力




今、汝等の前に姿を現そう








魔導師、魔を導くものならば




魔封師、魔を封ずるものなり




我は魔封師の血を引くもの




名をと申さん




そして我が魔封師、この地に再びはせ参じる時




汝等に言葉を刻もう








地の底に眠る星の火よ、古の眠り覚し裁きの手をかざせ




… ファイガ …




無念の響き、嘆きの風を凍らせて忘却の真実を語れ




… ブリザガ …




天空を満たす光、一条に集いて神の裁きとなれ




… サンダガ …




清らかなる生命の風よ、天空に舞い邪悪なる傷を癒せ




… ケアルア …




黄泉への回廊に迷え滅び行く血肉とともに




… バイオ …




静寂に消えた無尽の言葉の骸達闇を返す光となれ




… リフレク …




地這う暗黒の力、天を呪う者たち煉獄の火を捕えろ




… フレア …




沈黙の光よ、音の波動のもたらす邪悪な影から守りたまえ




… シェル …




行方知らぬ風たちよ、我が声に集え天空への門を開かん




… トルネド …




慈悲に満ちた大地よ、つなぎとめる手を緩めたまえ




… レビテト …




汚れ無き天空の光よ、血にまみれし不浄を照らし出せ




… ホーリー …




神の手より滴る灼熱の混沌へ天地創造の火よ




… メルトン …




生命を司る精霊よ、失われゆく魂に、今一度命を与えたまえ




… アレイズ …




時は来た。許されざる者達の頭上に星砕け降り注げ




… メテオ …




虚栄の闇を払い、真実なる姿現せあるがままに




… アルテマ …









わが身に宿りし“ 魔封 ”の力




今、汝等の前に姿を現そう









今、深き眠りから覚醒し




我にその鼓動を聞かせたまえ


































―――    封解    ―――


































オシマイ ガ ハジマル














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あとがき

90話ですなぁ

前半で90話って相当オリいれてる証拠ですよね。
取っても長い連載になってきましたね。
だけどまだまだ続くのです;;

途中魔法詠唱の時の呪文は
<ファイナルファンタジータクティクス>
より一部推奨しています。

さぁてと

ということでぽちり (殴)
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